自転車を利用する際に知っておきたい3つのリスク〜思わぬ事故から自分と周囲を守るために〜

マキハラ

こんにちは。広島県尾道市の保険代理店、有限会社マキハラです。

すでにご存じの方も多いかもしれませんが、広島県では、令和3年に「広島県自転車の活用の推進及び安全で適正な利用の促進に関する条例」が施行されました。
この条例は、自転車を環境にやさしい移動手段として積極的に活用するとともに、交通ルールを守り、安全で適正な利用を県民一人ひとりに促すものです。

日々の通勤や買い物、通学などで自転車を利用する機会は多く、私たちの暮らしに欠かせない移動手段となっています。
しかし、その一方で、自転車による重大な事故も後を絶ちません。

自転車は便利で身近な乗り物ですが、**「車両」**として道路交通法に定められており、使い方次第では加害者にも被害者にもなり得ます。

今回は、自転車利用時に注意すべき「3つのリスク」――
①賠償リスク、②からだのリスク、③財物のリスク――について分かりやすくご紹介します。

弊社理念等が気になられた方はこちらもご確認下さい。

ごあいさつ
ご挨拶当社ホームページにご訪問頂きましてありがとうございます。私は広島県尾道市にあります、東京海上日動火災保険・東京海上日動あんしん生命保険の代理店 有限会社マキハラの代表を務めております槇原勝と申し...

賠償リスク 〜他人にケガをさせた・物を壊した〜

自転車事故で最も深刻なのが、他人にケガをさせてしまった場合の賠償責任です。
近年は歩行者との接触事故や、スマートフォンを見ながらの「ながら運転」による重大事故も増えています。

たとえば、実際に起きた事故として、
中学生が夜間に自転車で坂道を下っていたところ、前方の女性と衝突。女性は意識不明の重体となり、
裁判で9,500万円以上の賠償命令が下された例があります(神戸地裁・平成25年判決)。

また、別のケースでは、
ロードバイクで信号無視をした男性が歩行者と衝突し、頭部に後遺障害を残した事故で約9,300万円の賠償命令が出ています。

これらは決して特別な例ではありません。
スピードが出やすい下り坂や、視界が悪い夜間、信号のない横断歩道など、
「ちょっとした油断」が数千万円の責任につながることもあります。

自転車は車と違って“軽い”乗り物に思われがちですが、
歩行者と衝突すれば、大きなエネルギーが働きます。
たとえば、体重60kgの人が時速20kmで走行中にぶつかると、
体重の約10倍にあたる600kgの衝撃力が加わると言われています。

つまり、自転車は「人を傷つける力」を持っている――この意識を持つことが、まず大切です。

からだのリスク 〜自分自身のケガ・命の危険〜

次に忘れてはならないのが、自分のからだを守るリスクです。
自転車事故では、転倒や衝突により、打撲・骨折・頭部損傷などのケガを負うケースが多く見られます。

特に注意したいのが頭部へのダメージ
警察庁の統計によると、自転車事故による死亡原因の約6割は「頭部損傷」によるものです。
ヘルメットを着用していなかった場合、致命傷となる確率が大幅に高まるとされています。

広島県の条例でも、ヘルメットの着用努力義務が明記されています。
近年は軽量タイプやファッション性のあるモデルも増えているため、「恥ずかしい」「面倒」といった理由で避けずに、日常的に着用することをおすすめします。

また、夜間走行中の事故も増加傾向です。
反射材付きの服やライトの使用はもちろん、暗い道ではスピードを落とし、「見える」「見られる」を意識することが安全につながります。

電動アシスト自転車を利用している方は、加速の強さにも注意が必要です。
発進時にバランスを崩して転倒する、歩行者と接触するなど、思わぬ事故が起こりやすくなります。
ペダルを踏み出す前に周囲の安全確認を行うよう心がけましょう。

財物のリスク 〜自転車そのものの損害・盗難〜

最後に、自転車そのものに関するリスクも見逃せません。

通勤や買い物など、毎日使う大切な「財産」としての自転車。
それが思いがけない形で損なわれることがあります。

たとえば、
・他の自転車や車との接触でフレームが破損
・駐輪中に倒されてホイールが歪む
・鍵をかけていたのに盗まれてしまった

こうしたトラブルは珍しくありません。
特にスポーツタイプや電動アシスト付き自転車は高額で、1台10万円〜30万円を超えることも多いため、修理・買い替えの負担は軽くありません。

盗難に関しては、警察庁のデータでも年間十数万件以上が報告されています。
その約6割が「自宅敷地内」での被害という調査もあり、「家の前だから大丈夫」という油断が命取りになることもあります。

ツーロック(複数の鍵をかける)や、持ち運びできない頑丈なロックを使用するなど、日常的な防犯意識が大切です。

まとめ:条例をきっかけに“自転車との付き合い方”を見直そう

自転車は、環境にも健康にもやさしい便利な乗り物です。
しかし、使い方を誤れば、自分や他人を傷つける危険もあることを忘れてはいけません。

  • 他人にケガをさせれば、数千万円の賠償責任を負うこともある(賠償リスク)
  • 自分自身も、転倒や衝突で重いケガを負うことがある(からだのリスク)
  • 大切な自転車が破損・盗難に遭う可能性もある(財物のリスク)

広島県の条例でも、自転車利用者は「安全で適正な利用を心がける責務」が示されています。
これは義務というよりも、「自分と周囲を守るための約束」とも言えるかもしれません。

自転車を“便利な道具”としてだけでなく、“責任ある乗り物”として見つめ直すこと。
そして、地域全体で安全意識を高めることが、事故のない社会への第一歩だと考えます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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